●A君は水遊びが大好きだ。
絵の具を使った後、パレットを洗うとそのまま流しで、水遊びをするのが止まらない。
「先生、A君が。ぼく、気になってお絵かきできないよ」と、B君。
「今ね、A君は一生懸命、流しのお掃除をしてくれているのよ」
「そっか、A君は便利屋さんだね」
納得して、B君は制作を続ける。
そのうち、たつぷり水遊びを堪能したA君も、机に座って静かに絵を描き出す。
●猛暑が続く。
教室にはいってきたC君はぐったり。
「疲れた、描きたくないよ」と、言う。
「よしよし、ではでは命の水を飲んで頑張ろう。これを飲むとパワー百倍」
紙コップに麦茶を入れて、渡す。
「本当だ、すごく元気になれた」
C君の顔に生気がよみがえってきた。(^^♪
★ちょっとした言葉のかけ方で、子どもたちが穏やかな気持ちで元気に制作に向かう姿が嬉しい。
●お稽古中のEちゃんとFちゃんの会話
E・「あなた、何処の学校?」
F・「○○私立小学校だよ」
E・「じゃぁ、お嬢様なんだ。お嬢様なのに、なんでこんなぼろっちぃ教室に来てるの?
★思わず苦笑。子どもは正直だ。そこがたまらなくいい!
●小学高学年のD子ちゃんが、しきりに愚痴る。
「あぁ、あたしなにもやりたくない、塾で目一杯だもん」
「じゃ、少なくするか止めたら」
「そんなわけにいかないよ」
「でもさぁ、そんなに疲れるんだったら」
「先生は今の子たちのことが全然わかってないよ。みんな塾に通ってるんだよ。同じようにしなかったらおいてかれるんだよ」
D子ちゃんが、抗議する。
一瞬絶句。★みんなと同じなくてもいんだよ。色々な生き方があっていいと思うよ。
いつかそのことをD子ちゃんはきっと気づいてくれると思う。
教室で自分の本音、たくさんたくさん話してくれるから。
●「先生、超今日疲れた、朝からあれやってこれやって」
高校生のE子ちゃんが重たいスクールバックを背中にしょって、汗だくで飛び込んできた。
「今日は油絵の続き、描かなくていい?」
「OK、OK」
E子ちゃんは、地べたに寝転がり、スケッチブックにマンガを描き出した。
「楽しいなぁ、ほっとする」
しばらくして、ふと見るとぐっすり夢の中。
終了時間ようやくお目覚め。
「あぁ、すっきりした。来週ね」
ニコニコしながら、手をひらひら振って帰っていった。
みんな、みんな、今のままで頑張ればいんだよ。
そして、ゆっくり自分らしさを楽しく発揮しながら、いつかしっかり大地に根をおろせばいんだよ!