そーと、そーと運んでね!

小学校二年生・四歳・三歳の子ども達がいるクラスで虹のたまごを作った。
「粘土をこねてたたいてたまごを7個作ってね」 


幼児はたまごをどっさり作ったり、三歳のK君は「僕三歳だから三個」と。
ワクワクドキドキ楽しければ何個だって全部OK、OK。
さすが二年生のT君はしっかり7個をつくり、虹色にした。  






「これは原っぱの箱、この中にたまごを入れてみよう」








原っぱの中に虹のたまごを入れ、「一週間の間に大事に教室で割れないように育てておくわね。」と私。
「今日持っていきたい」
「家に飾りたい。割れないように、逃げないように鍵を作って」
幼児が騒ぐ。うーん、こういう時はその瞬間の感動の方が大切だ。
二年生の男の子は、持っていくより、来週たまご(粘土)が硬くなっているのが楽しみで、余裕。





というわけで、鍵を作らねばと冷や汗をかきながら、鍵になる材料がないものかと子どもにわからないように、教室中をキョロ、キョロ。
目についたのが輪ゴムとクリップ。うーん、なんとかなりそうだ。
「ほらね、鍵がかかったから大丈夫よ。そっとそっと持って帰ってね」と涼しい顔をして子ども達に応えた。
両手にたまごの入った野原の箱を抱えて、そっとそっと歩いていく子どもの後姿にちょっと感動しつつ、思わず頬がゆるんでいった。

☆ 後日お母様から伺った。
 三個のたまごは、四十雀のたまごだとお母さんに説明したそうだ。
 そして「割れちゃうからそーと見てね」と、ご両親に話たという。
 あぁ、いいなぁ、こういう話って!