子どもの心が動く時

「線を二本書いてね」
「線路だ、線路だ」(思ったとおりの言葉が返ってきた、ホッ)
「そうそう、線路だね、たての線を書いて間に石も描いてみようか」
K君の心が動き出す。何の躊躇もなく書き出す。あっという間に線路が出来上がった。 



そして・・・
「電車描く」と発言!
 紙を渡すとこれもあっという間
「電車。運転手さん車掌さんもいるんだよ、のってる人はみんな横向きなの」(だから目が一個なんだね!運転手さんは帽子、観察が細かい!あぁ、いいなぁ) 
「すごい!すごい!走るといいね」
「出来るの?」K君の上気した顔。
「もちろん」そういって、電車のうらにマッチ箱をはり、タコ糸を通して線路に貼り付ける。手で動かすと電車が走り出す。いっぱいいっぱい動かして、遊んで




「駅がないとおかしいよ」とK君
「そっか、そうだね」紙を渡すと、なんと今までほとんど、あんぱんまんしか描かなかったK君が駅をすらすら。


「これは、おねいちゃん、これはぼく、これは○○ちゃんだよ。明大前の駅だよ」
 


そして・・・青い紙に貼ってみた。
「飛行機がなきゃおかしいよ」
これも今まで描いたことがないのに飛行機をスラスラ、空に貼って


ようやく、いつも描くあんぱんまんのご登場、マントをつけて空を飛んでいる。友達の仮面ライダーもご登場!
「空には雲もないとおかしいよ」
なにも示唆しないのに、どんどんすすんでいく。すごいなぁ、感動!まさに4才の子どもの心が動いた瞬間。K君は大満足で空を描き加えて両手に抱えて持って帰った。

★「上手になるように、それらしく見えるように指導してください」今まで何十回と幼児のお母様から頼まれたことがある。
そのたびに、首を横に振る。幼児の絵はメッセージ、感動したり興味を抱いたら、どんな子でも描ける。大きく飛躍する時がある。上手くなくてもいい、それらしく見えなくてもいい。描き方を教えるのではなく、子どもの心を大切にしたい!!そこから自然に絵がうまれる。