お願い、捨てないでね!

    
ある日、Mちゃんが風邪の為、お休みした。
お母さんがわざわざ欠席の連絡を告げに教室にいらして下さった。 

「Mが自由クラブで作った粘土の人形達を、今週行かなかったら先生に捨てられちゃうって心配してまして」と、お母さん。
「大丈夫、ゼッタイそんなことしませんから、Mちゃんに安心して風邪を早く治すようお伝え下さい」と私。
この人形達は、冷たい手袋を作った時、余った粘土で三人の三年生の女の子達が作ったものだ。その日のテーマより、自分達で作った人形達とお店屋さんごっこをしたりして、遊ぶのに夢中な彼女達。
つい「手袋の色をちゃんと塗らないと、捨てちゃうよ」と言ってしまった。(もちろん、そんな気などさらさら無いのだが)お母さんの話を聞いて、思わず胸が一杯になった。
あぁ、なんて健気で正直な子ども達よ、改めて再発見!
因みに左下の三匹のトカゲ達は、運転免許を持っていて、あちこち行きたいところへ運んでくれるそうです。
そのあとも、時間が余ると、彼女達はこの人形達の家を作ったり、遊んだり。
ゼッタイ捨てたりしないから、安心してね!