きょうだい!

久しぶりの本の紹介です。
きょうだい!


妹のまほはおしゃべり でしゃばり、あげくに家では(ぼく)と同じ部屋。
まったくいい迷惑だし、本当に恥かしいし。やだなって思う。
ところが妹はぼくのおたふくがうつっていつもと人が変ったみたいにおとなしい。
なんとなく調子が狂うぼく、その微妙なニュアンスが絶妙だ。
あぁ、きょうだいってこんなもんだなぁと思わせる、ユーモアたっぷりな一冊。
2005年・浜田桂子作 ポプラ社


















妹のゆうかは母さんにべたべたな甘えん坊、いつも母さんを独占してしまう。
あげくに僕のゲームを邪魔したり。僕はゆうかに腹を立てる。
そんな僕を見て「おにいちゃんでしょ」と、母さんが説教する。
僕は面白くなくて家出。その場所は・・・?僕は孤独な時間をもち、自分の世界を作っていく。
いつの間にか、頭にくるゆうかを兄らしく受け止めていく自立心が素敵だ。
あぁ、子どもが一人で過ごす時間っていいなぁ。奥の深い一冊。
2008年・後藤竜二作 佼成出版社


















どういう事情か、夫々に母子家庭、父子家庭の二つの家族が暮らすことになった。
やって来た妹は怪獣みたいにめちゃくちゃだ。羨ましいくらい傍若無人。おまけに3才なのに2年生の(わたし)より大きい。わたしのお母さんもとられてしまいそう。
環境的にシビヤな中でわたしは、妹を突き放してはみるものの中々上手くいかない。
わたし、ココは最後に「おねえちぁんって大変なんだなぁ」と、妹をおぶって健気に一人つぶやく。
頑張れと思わず声をかけそうになりながら、頑張んなくていんだよと、背中を撫でてあげたくなってしまった。
2012年・いとうみく作 岩崎書店

いろいろなきょうだいがいる。子ども達が戦っている姿に共感をもって読む子がいるのでは。是非ご一読を!
そして、この夏、逆バージョン・妹、弟から見た兄、姉の本を探してみたくなった。お奨めの本があったらそっと教えて下さい。
「おねえちゃんって、すぐわたしに指図をする」「お兄ちゃんって、わたしをすぐにムシする」なんだかそんな書き出しで始まるのではと、末っ子である我が子ども時代を思い出し、一寸笑ってしまった。