Ｙちゃんは現在りっぱな社会人３年目。わが教室には幼稚園年中さんから高校三年生まで通ってきていた。
大学に入っても、働き始めても、時々ひょいと顔を出す。
「元気？」「元気だよぉ」
時には「もう嫌になる」職場の愚痴も言っていったっけ。
そのＹちゃんが、先日のわが教室の展覧会を見て「もう一回描いてみたいなぁ」と復帰した。
↓これが復帰第一作目。（アクリル画）
出来上がって「わたし、中学生以来、自分が描いた絵で初めて達成感を感じたよ」
Ｙちゃんがしみじみ言った。
そういえば、Ｙちゃんの中学生・高校生時代、ご多分にもれず悩み多く思春期真っ盛り。学校から遠ざかった時期もあったね。
教室は描くというり、話をしにくるか、なんとなくスケッチブックにその時々の気持をぶつける方が多かった。
教室復帰第一作目、その日は達成感のお祝いを兼ねて二人で近くの居酒屋に行ってちょっと一杯。
「学校問題・友達関係・塾など、自分を取り囲む環境で追い詰められている子達の気持、わかる」とＹちゃんが言う。
じっとＹちやんの話に耳を傾けながら、胸が一杯になる。
Ｙちゃんは苦しんできた分、これからきっと誰かのよき相談相手になったり、人の痛みのわかる素敵な女性になるだろうな、ふとそんなことを思った。
ほろ酔い気分で帰りながら、なんだか嬉しい一日だった。
