読書の楽しみ

昨夜は地震があり、東京でもかなり揺れましたが、皆様方のお知り合いやご親戚など被害はなかったでしょうか?緊急事態宣言もまだ解除されなく、気楽に出かけることも出来ない日々ですが、教室の子ども達はほとんどお休みもなく元気です。とはいえ、子ども達の目には見えにくい心のメンテナスの大切さ等を思う昨今です。そんなことを思いつつ読んだ、久し振りの本の紹介です。

f:id:hatekunn3333:20190216080812j:plain
f:id:hatekunn3333:20190216080903j:plain

「おとうさんのかお」春休み単身赴任の父と父の赴任先を訪れた娘利理の葛藤の物語、慣れない日々の中で、親子で戸惑う日々・だが利理に友達が出来、友達から面白い遊びを教えてもらっているうちに、利理の心が少しずつほぐれていく。同時におとうさんも変わっていく。

「あの子の秘密」心を閉ざしている小夜子に転校生が近づいてくる。転校生が近づいても近づいても、頑なに振り払う小夜子。小夜子には誰にも言えない秘密があった。そして一見明るく見える転校生にも誰にも言えない秘密があった。

二冊とも目には見えにくい子どもの繊細な気持ちがひりひりと伝わってきて読む者を離さない。「あの子の秘密」は、教室から何度も借りていく生徒がいる。

 

f:id:hatekunn3333:20190216080841j:plain
f:id:hatekunn3333:20190216080852j:plain

「ジャンプして雪をつかめ」紙切れみたいのが降ってくるのもある。風に舞い上がるように、軽い雪が降ることもある。水っぽい雪が真っすぐに降ることもある。横殴りに鋭く降ることもある。ここの表現がとても素晴らしい。引っ越して行った片田舎の物語。今だぼっとん便所、まさに昭和の風景を彷彿させるが、本当のことだと作者は語る。雪を中心に主人公の唯志や土地の子ども達が大上段ではなくいつの間にか変わっていく姿が秀逸。

「わたしのおうち」生まれつき障がいをもって生まれた祥ちゃんが35歳で施設に入居した。その記録をお父さんがお書きになった。距離感を持った微細な観察眼、その行間から、喜びも悲しみも楽しみも辛さも湧き上がってくる。なんといっても祥ちゃんのひょうきんな姿がいい。施設でもご家庭でもあるがままを受け入れられ尊重されてている祥ちゃん。私の教室にもハンディを持った人たちが何名かいる。この本から障がいがあってもなくても、沢山のヒントを頂いた。そして、いとうみくさん(児童文学作家)が書かれたあとがきが素晴らしい。

長く続く閉塞感を余儀なくされているコロナ禍の中で、読書に誘われ4冊をご紹介しました。

お手にとって頂ければ幸いです。

 

2月は「旅するお雛様」と名づけた工作を只今制作中です。下記は試作品です。

楽しみにしていて下さい。

f:id:hatekunn3333:20210211201600j:plain