赤べこと佐市君

小学1年生から教室に来た 佐市君、何度かブログでもS君として登場しています。その佐市君も、今年で28歳になる。あぁ、こんなに長くと感慨深く、今までの彼の軌跡をたどってみたいと思った。

紆余曲折を経て、漢字の時代が約3年間、その後、浴衣を着た女の子を3年間ほど描き続ける。いつしか浴衣の女の子の中に飛行機や赤べこが出て来たりする中で、赤べこがとても気に入ったようで、浴衣の女の子卒業。

現在まで赤べこ登場。赤べこは、会津地方で、子どもの魔避けとして用いられてきたそうだ。子どもを守るあかべこ、佐市君の心に響いたのかな?

 

少しずつ変化していく赤べこ

手づくりのハンコを押してその上に描いたり、絵の具をぬった上に描いたり。

こんな大きな赤べこも出来ちゃった。

かぼちゃの中の赤べこ、すいかの中の赤べこ、そしてお母さんと赤べこ。昨年の展覧会でどれを出しますか?と聞いたら迷わずお母さんを指さしていた。

時には大好きなぜんまいざむらいや、エモンガを描いたり、でもいつだって赤べこが登場。

そして、最近色画用紙を何枚も出して佐市君に好きな色を選んでもらった。

最初は赤べこ登場、次に色画用紙の色って何があるかな?等質問しながら、赤はトマト

うーん青は難しいなぁ、時間がかかったけど佐市君は考えた!。橙色はミカン。そんな風に遊びながら描いてるうちに、赤べこがどんどん減って、色の遊びの方が楽しくなったのかな?気がつくと色画用紙の中に赤べこが一匹。もしかして赤べこがそろそろ卒業かな?(個人的にはちょっと寂しいけれど・・・(^-^;)

ひとつのテーマが決まったら、飽きることなく描き続ける佐市君、ここに紹介した絵はほんの一部で、月4枚、5年間なら200枚以上凄い!これからの変化がとても楽しみだ。

そして佐市君の記事を書きながら、改めて思う。最初のとっかかりだけ作れば、大人は後ろからついて行くのがいいと。それはどの子にもいえることではないだろうか?大人がレールをひいて先頭を歩くより、後ろからついて行く方が子ども達の考えていることがよくわかる。こども達の鋭敏な感受性がよく見える。そして、なによりも子ども達の考える力が育つのではないだろうか。私たち大人は静かに見守り、子ども達が困った時そっと手を差し伸べ一緒に考えればいいと。いろいろな考え方の中で、そんなことを思う日々。

 

佐市君の中学生までは下記拙書と学研雑誌(実践障害者教育)の掲載記事の中で仮名・しょうた君として紹介してあります。お手にとってごらん頂ければ幸いです。


前回の粘土制作花瓶はあと少しで完成します、次回全員アップします。楽しみにしていて下さい。